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「────────…。断る」
「何だと」
「断ると言ったんだ」
「拒否権はない」
「自分は消えたいんだ」
顔を上げキアラを見据えた118の瞳は何も宿してはいなかった。
───…自分には生きるとは拷問であった。
光の見えないあの場所で来る日も来る日も狂い人達の娯楽に付き合わされ昨日まで友だった者と殺し合う。
食は雨水、運が良ければパン屑。
飢えと疲労が混ざり合い自分が存在しているかもわからない日々。
絶望・孤独・恐怖
幾度となく押し潰されそうになりながら生を…この運命を呪い続けた。
「拒否権はない。君にはなる義務がある」
「………五月蝿い」
「諦めろ」
「─────るさい…。五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い」
頭を振り手で耳を押さえキアラの言葉を全く聞こうとしない。
そんな118の行動に何を思ったのか耳を押さえていた両手を掴み其処から外した。
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