エピローグ(最終章)

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それから、私たちのお付き合いは順調に進んだ。 夏目さんからは相変わらずチクチクと傷付くようなことも言われたりもするけれど、全部的を得ていることなので仕方ないと割り切ることにした。それに、なんだかんだ言って私と壮二くんのことを気に掛けてくれているようで、近況を聞いてきたり、私がお洒落に気を抜くとすぐに喝を入れてくる。ある意味、今の私は夏目さんがいなかったらあり得なかった姿かもしれない。 たまに美容院にも行く。二葉くんに担当してもらい、毎回お任せでオーダーする。自分に似合う髪型なんてわからないから二葉くんのセンスでカラーもカットも全部仕上げてもらう。すると不思議ととても魅力的な私になれる。 ……なんて、自分で言うことではないけれど、二葉くんの褒め言葉に煽てられているのか、まるで魔法をかけられたかのようにピカピカになった自分にいつも驚く。 もちろん干物生活も継続している部分はあって、たまに全てを投げ出したくなった日には外のものをシャットアウトして家の中に閉じこもる。布団の上でダラダラして、ポテトチップスを貪ってテレビを見て、ビールを片手にお休みを全力で満喫する。 そんな日は壮二くんからの連絡すら見るのを忘れることもあるけれど、全部わかってくれている彼は笑って許してくれる。 ……次の日は容赦ない愛で優しくたくさん攻められるけど。
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