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「知り合いの先輩はね、前から私に言い寄ってきててね。 デートのセッティングはノリノリでしてくれたの。 でもダブルデートだと、その先輩に変に期待させちゃいそうだったから、せめてもっと人数揃えて合コンノリにしちゃおうって思って……」
だ、そうだ。
よくわからないけれど、それって言い寄ってきていた先輩を利用しているってことなんじゃ……。
「ちょっと最低……」
はぁ~っと重い溜息をつくと、奈々美は心外だとばかりに頬を膨らませた。
「必死だと言って! でもお互い様なんだよ。 その人、彼女いるし、別れる気もないんだから。 遊びで他の女の子を口説けるの。 そういう人だから、私もなびかなかったし」
「へ?」
思わずポカンとしてしまった。
正直、私にはわからない世界。
彼氏彼女以前に、男女間の好きとか嫌いとかもろくにわからないけれど……
なんなの、その軽い恋愛観。
そんなことして、何が楽しいの?
……あれ?
でも。
「遊佐先輩だって、遊び人って噂で……」
「だから! こうして自分の目でジャッジしようと思って場を取り繕ったんじゃん! もちろん、姫子にも見てもらうためだよ?」
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