第4章

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「ねぇー、ちょっとちょっと! 女の子たちだけで会話してないで、俺たちも入れてよ」 しばらく後ろで猿山を見ていた先輩の1人が、しびれを切らしたように私と奈々美の間に入り込んできた。 「あ、すいませぇん……」 奈々美が露骨に不快感を露わにする。 待ち合わせ場所で自己紹介し合って、この人が奈々美に言い寄っている先輩だとわかった。 高身長で顔もいいけれど、ものすごくグイグイくるタイプで、私の最も苦手とする種類の男の子だった。 他の男の子たちも派手な印象の先輩ばかりで、いかにも遊んでる感じだなぁ、なんて第一印象を受けてしまった。 そんな中、一番ひっそりと佇みながら、一番光り輝くオーラを放つ先輩がいた。 ーーーもちろん、遊佐先輩。 『おはよう』の一言でさえ、私たち女の子5人の瞳をハート型に変えてしまった。 こればかりは、好きとかそういう範疇じゃない。 惚れていなくてもドキドキするのは仕方ないほど、私服姿の遊佐先輩のキラキラパワーは凄かった。
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