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「ねぇー、ちょっとちょっと! 女の子たちだけで会話してないで、俺たちも入れてよ」
しばらく後ろで猿山を見ていた先輩の1人が、しびれを切らしたように私と奈々美の間に入り込んできた。
「あ、すいませぇん……」
奈々美が露骨に不快感を露わにする。
待ち合わせ場所で自己紹介し合って、この人が奈々美に言い寄っている先輩だとわかった。
高身長で顔もいいけれど、ものすごくグイグイくるタイプで、私の最も苦手とする種類の男の子だった。
他の男の子たちも派手な印象の先輩ばかりで、いかにも遊んでる感じだなぁ、なんて第一印象を受けてしまった。
そんな中、一番ひっそりと佇みながら、一番光り輝くオーラを放つ先輩がいた。
ーーーもちろん、遊佐先輩。
『おはよう』の一言でさえ、私たち女の子5人の瞳をハート型に変えてしまった。
こればかりは、好きとかそういう範疇じゃない。 惚れていなくてもドキドキするのは仕方ないほど、私服姿の遊佐先輩のキラキラパワーは凄かった。
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