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「そう? 別に、そんなことないんじゃ……」
「いえ! ブスだし、髪の毛ゴワゴワだし、すぐ日焼けして真っ黒になるし……可愛くないし。 私、女の子失格なの自覚してますから」
遊佐先輩はそんな私を不思議そうな顔で眺めた。
そして、少し困ったように眉を下げる。
「……どうしてそんな風に思うの?」
「……え?」
「俺から見たら十分女の子だけど。 なんでそんなに自分を卑下するの?」
「……え!? ええと……」
次の言葉が出てこない。
気障にも思えるその台詞に、「なに言ってるんですか!」って、冗談ぽく返すことも出来るはずなのに、遊佐先輩の顔が真剣すぎて適当な返しをすることは躊躇わらた。
「〝 女の子失格 〟って、そもそも姫ちゃん、俺のこと好きなんでしょ?」
「…………へ?」
突然、頭が真っ白になる。
遊佐先輩は小首を傾げながら、あたかも当たり前のような表情で続ける。
「好きな人がいるってことは十分女の子だよ。 それってきっと、自分を女の子だってちゃんと自覚してるから好きって感情が起こるんじゃないかな」
……え?
な、
なに言ってるの、この人!?
そういえば、この間もそんな風に勘違いされて……。
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