第4章

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私はすぐにベンチから立ち上がった。 「ちっ、違いますから! それ、先輩の大きな勘違い……っ」 「ーー姫子、どうしたの?」 そこに、メイク直しタイムの終わった女の子4人が戻ってきた。 「! な、奈々美……」 メイクは完璧。 といっても、メイク直し前と後で、何が変わったのか私にはよくわからないけれど。 とにかく、私と違ってメイクも服も頑張っているこの4人こそ、本物の〝 女の子 〟だとは思う。 私と遊佐先輩の様子を見て、奈々美は私の腕をとって引っ張り、コソコソ話をしてきた。 「なに!? なに!? 何話してたの!?」 「や……別に、なにもっ!?」 「もしかして私のこと!? 遊佐先輩、何か言ってた? あの子可愛いねとか、携帯番号知りたいとか」 「……えぇっ!?」 ……奈々美がポジティブな子で良かった。 遊佐先輩を好きだなんてあり得ないけれど、勘違いされているなんてこと、奈々美には言えない。 ホッとしたのも束の間、視線を感じで振り向くと、石藤さんと目が合った。
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