第1章

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後ろから 誰かの声が聞こえた。 気になって振り返ろうとしたそのとき、 その声に 左肩を叩かれた。 「 ねぇ、 今日は 学校おわるの早かったの? 」 振り向いて、 びっくりした。 隣のアパートに住む 幼じみの 小林くんだった。 ーあれ、 こんなとこ小林くん 通ったかな? 小林くんの 学校からかなり外れたルートにあるこの通学路は、 わたし達がいつも通る 登下校道だった。 下校時に後ろから ハイタッチを求めてくる 友達や 偶然帰るのがかぶった 同級生で 今度のボーリング大会は いつ開催するかの 相談をする、 そんな特別な場所だった。 そんな 場所に、 小林くんは何故 いるのか? わたしは その理由をしりたかった。 「 いつもとおなじだよ。 今日は 用事でもあるの? こんな所走って。」 小林くんは、 乗ってきたマウンテンバイクを 片足で止めて、 わたしの前に キラキラした目つきで立っていた。 なにかそわそわして 落ち着かない様子だった。 自転車のハンドルについた汗が 太陽の光で 白く反射している。 そのハンドルを 何回か握り直したあと小林くんはこんなことを言いだした。
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