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後ろから 誰かの声が聞こえた。
気になって振り返ろうとしたそのとき、
その声に 左肩を叩かれた。
「 ねぇ、 今日は 学校おわるの早かったの? 」
振り向いて、 びっくりした。
隣のアパートに住む 幼じみの 小林くんだった。
ーあれ、 こんなとこ小林くん 通ったかな?
小林くんの 学校からかなり外れたルートにあるこの通学路は、
わたし達がいつも通る 登下校道だった。
下校時に後ろから ハイタッチを求めてくる 友達や
偶然帰るのがかぶった 同級生で 今度のボーリング大会は いつ開催するかの
相談をする、
そんな特別な場所だった。
そんな 場所に、
小林くんは何故 いるのか?
わたしは その理由をしりたかった。
「 いつもとおなじだよ。 今日は 用事でもあるの? こんな所走って。」
小林くんは、 乗ってきたマウンテンバイクを 片足で止めて、
わたしの前に キラキラした目つきで立っていた。
なにかそわそわして 落ち着かない様子だった。
自転車のハンドルについた汗が
太陽の光で 白く反射している。
そのハンドルを 何回か握り直したあと小林くんはこんなことを言いだした。
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