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「翔ちゃん!!」
俺に気がついて嬉しそうに手を振る美夜子は、普通に可愛いとは思う。
「美夜子、こういうのは、頼むからやめて」
美夜子のお母さんと、俺の母さんは、学生の頃親友だったらしい。
お互い結婚して、俺や美夜子が産まれて、だんだん疎遠になって。
そんな2人は、俺らが幼稚園の時に、うちの母さんと親父が離婚してばあちゃん家に住むようになって、再び交流をもつようになった、らしい。
「だって、翔ちゃん全然会ってくれないもん」
最初の頃から、俺になついた美夜子。
人見知りの美夜子は、幼稚園でも友達ができなかったようで、美夜子のお母さんは、俺と遊ぶ美夜子に嬉しそうにしていた。
「俺だっていろいろあるんだよ」
俺は俺で、同い年なのになついてくる美夜子が、まるで妹ができたようで嬉しかった。
俺はずっと妹か弟が欲しかったから。
…それを言ったら、母さんが辛そうな顔をしたから、それから言ったことはないけれど。
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