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「翔ちゃん、サッカー楽しい?」
帰り道。
美夜子に聞かれる。
「楽しいよ。修平も一緒にやってるんだよ」
ふーん、と興味無さそうな返事。
「美夜子は?学校どうだ?友達できた?」
無言になった美夜子に。
美夜子にバレないように、ため息をついた。
…俺は、美夜子が私立に行けば、友達もできると思って。
美夜子を私立に行かせるために、付き合うことに了承した。
美夜子に、友達を作って欲しいから。
それなのに、美夜子からは、友達を作る気なんてないように感じる。
「…だから、翔ちゃんがいればいいんだって」
そう言い張る美夜子に。
俺は、再び美夜子にバレないように、ため息をついた。
「俺はいるから。だから、美夜子も友達作れよ。楽しいから」
俺はいるから、そう言いながらも。
心の中では思う…いつまでも一緒にいられるわけじゃないんだからって。
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