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「…翔ちゃんは、楽しい?友達といると…」
そう美夜子に聞かれる。
「楽しいよ。修平とかと、サッカーしたり、話をしたり。だから、な、美夜子」
…わかってほしい。
だって、絶対必要だろ、友達って。
「わかんない!!美夜子には、わかんないよ!!美夜子には、翔ちゃんがいればいいんだもん。翔ちゃんだけいれば」
気が付けば、もうそこは、美夜子の家の前だった。
叫ぶようにそう言った美夜子の声は、ちょうど庭の植木鉢に水をあげようとしていた美夜子のお母さんに聞こえたようだった。
「こんにちは、翔伍くん」
美夜子が走って、家に入っていったあと。
美夜子のお母さんに言われて。
「こんにちは」
いつも思う。
このおっとりしていて優しそうな美夜子のお母さんと、チャキチャキしていて言いたいことはハッキリ言ううちの母さんは、どうして仲がいいんだろう。
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