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そして、やってきた家庭科の時間。 「それでは、女子は2人、男子は2人のとこと3人のところができますが、計4人もしくは、5人のグループを作ってください。なかなか決まらなかったら、くじ引きにしますからねー」 そう言われて。 私が貴明の方を見ると… 貴明の隣には、植原と花井くんの姿。 え…まさか… 確かに、貴明に、男の子考えといてとは言ったけど。 それがまさか、植原だなんて考えもしなかった。 いや、不思議はない。 だって、貴明も植原も花井くんも、同じサッカー部なんだから。 「恵梨、綺音ちゃん、この二人でもいいかな?」 そう貴明が言ったとき。 綺音ちゃんが、チラリとこっちを見た気がした。 「…いいよ。よろしくね」 声が震えた気がした。 「こちらこそ、よろしく」 そう言った声が、花井くんではなくて、植原だったことは、顔なんか見なくてもわかった。
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