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「どんなストーリーにしたいとかある?」 綺音ちゃんが聞くと… 「えー、恵梨と綺音ちゃんに任せようかと思ったのに。なぁなぁ、植原、花井、この二人美術部だからさ、頼りになると思うよ」 なんて、勝手な貴明だ。 綺音ちゃんも、なんでこんな男がいいかなぁ。 「うわー、俺、絵下手だからすっげー便りになる!!」 花井くんが嬉しそうに言うけど… なんか、不安なんですけど。 だって、貴明も便りにはならないし。 …でも、絵本は、絵の下手上手いはそこまで関係ないかもしれない。 いや、上手いにはこしたことはないけど、でも絵がそんなに上手くなくても、ストーリーと仕掛けでどうにでもなる。 それが、絵本作りの楽しいところでもあると思うんだけど。 「花井くんって、小学生の時から、絵下手だったよね」 隣でクスクス笑いながら、そう言ったのは綺音ちゃん。 そっか、綺音ちゃんは花井くんと同じ小学校だったもんね、仲良かったのかな?
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