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「恵梨香ちゃん、花井くんには、本当に期待しない方がいいよ。小学生の時、隣の子の顔を書くっていう授業で、すごくひどい顔書かれたんだから」 綺音ちゃんがそう言うと 「まだ、そんなこと覚えてるのかよ、根本。そんなの何年前の話だよ」 なんて言いながらも、なんだか嬉しそうな花井くん。 やっぱり、仲良さそう。 「…なぁ、遠藤と三浦ってもしかして、付き合ってたりするの?」 何度も聞かれたことのあること。 だけど、なんだか、ここでは聞かれたくなかったな、花井くん。 「付き合ってないよ。ねぇ、貴明」 いつまでも、こうやって、貴明とか恵梨とか呼んでるからそう言われるのかな。 でも、貴明は貴明だしな。 貴明だって、きっと同じことを言うだろう、恵梨は恵梨だからって。 「ん、ただの幼馴染みだよ」 そう、ただの幼馴染み。 それは、事実だけど、それを聞いた瞬間。 花井くんが、爆弾を落とした。
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