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「主人公は、ありきたりだけど、犬に決まったよ」
部活の時間、綺音ちゃんにそう言われる。
「…うん、知ってるよ」
さすがに、そのくらい聞いてたよ。
頭の中、真っ白だったけどね。
「ごめんね、恵梨香ちゃん。花井くんが、ああいう奴だってこと、わかってたのに止めれなくて」
…そんなの、綺音ちゃんが悪いわけじゃないのに、謝る綺音ちゃん。
「綺音ちゃんが悪いわけじゃないよ、、、私の方こそ、ごめんね、言えなくて」
…今でも、植原を好きだって。
諦めるって、大丈夫だって、嘘ついて。
「…わかってたから、大丈夫。だって、ほら、、、」
…そっか、綺音ちゃんは、気付いてたんだ。
気付いてて、何も言わないでいてくれたんだ。
「今だって、ばっちり外見てる」
あんなに、痛かったのに。
綺音ちゃんに言われた通り、今でも、私は外を見ていた。
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