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そこからは、私は奥井先輩と絵本の続きの話をして。
綺音ちゃんも、自分の作品を作り始めたから。
さっきの恋バナは終わり。
…になるはずなんてない。
「恵梨香ちゃんー、途中まで一緒に帰ろうね」
部活の時間も終わって。
いつも途中まで一緒に帰る綺音ちゃんと私。
「先輩ー、さようなら」
私と綺音ちゃんに、にこやかに手を振る奥井先輩。
…やっぱり奥井先輩は、すごく大人に見える。
1つしか上とは思えない。
1年後、来年には私もあんな風になれるんだろうか。
「恵梨香ちゃんは、奥井先輩のことが好きなんだと思ってたー」
綺音ちゃんにそう言われて。
驚く。
…確かに、優しくて大人な奥井先輩には、憧れていたけど。
「でも、窓の中にいる奥井先輩より、窓の外の方が気になるみたいだし」
…確かに、真剣にキャンパスを見つめる奥井先輩よりも。
サッカーボールをおっかける植原の方が気になる。
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