出来損ないの時間

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募った思いを光らせて、後悔と希望が入り混じった時間を飲み込んだ。 そのときあなたは、なんて言ってたの? 私の喉は血だらけだよ。 乱れた毛先をクシで真っ直ぐと整えるように、目を閉じて心を整える。 すぐにふわりと、また乱れてしまうのに。 満足して、自分に余裕がないからこそ、きっと割り切ることができたの。 「出来の悪いあんたにしては上出来だね」って、多分そう言われたとしても笑って誤魔化せる。 何も考えたくないのなら全ての時間を埋めてしまえばいい。 無心で汗を流せばいい。 そうすれば、「仕方ない」で終われるんだから。
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