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あれからしばらく。
彼女に引っ掻き回された特訓の日々は忘れたい。
それほどまでに面倒くさかった。
だから僕はなるべく思い出さないようにしつつ、会場入り口で彼女の到着を待った。
―――――待ち合わせ時刻5分前。
まあまだ来なくても当たり前だろう。
彼女だし。
―――――待ち合わせ時刻1分前。
「春翔ーっ!あれ?美冬ちゃんは?」
「美冬ちゃんが遅刻?珍しいね」
拓斗と燈が到着。一応、まだ遅刻じゃない。
―――――待ち合わせ時刻10分過ぎ。
「美冬ちゃんがこんなに遅れたことあったかな・・・?」
「緊張しすぎて眠れなかったとか?」
―――――待ち合わせ時刻30分過ぎ。
「なぁ・・・なんかあったんじゃねぇの?」
「春翔だけでも先に行っておいたほうがいいんじゃない?」
「さすがにもうそろそろ始まりそうだし、先に行く。あとはよろしくね」
嫌な予感が胸を占領しつつも、僕は選手控室へ向かった。
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