4章

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あれからしばらく。 彼女に引っ掻き回された特訓の日々は忘れたい。 それほどまでに面倒くさかった。 だから僕はなるべく思い出さないようにしつつ、会場入り口で彼女の到着を待った。 ―――――待ち合わせ時刻5分前。 まあまだ来なくても当たり前だろう。 彼女だし。 ―――――待ち合わせ時刻1分前。 「春翔ーっ!あれ?美冬ちゃんは?」 「美冬ちゃんが遅刻?珍しいね」 拓斗と燈が到着。一応、まだ遅刻じゃない。 ―――――待ち合わせ時刻10分過ぎ。 「美冬ちゃんがこんなに遅れたことあったかな・・・?」 「緊張しすぎて眠れなかったとか?」 ―――――待ち合わせ時刻30分過ぎ。 「なぁ・・・なんかあったんじゃねぇの?」 「春翔だけでも先に行っておいたほうがいいんじゃない?」 「さすがにもうそろそろ始まりそうだし、先に行く。あとはよろしくね」 嫌な予感が胸を占領しつつも、僕は選手控室へ向かった。
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