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職場内の雰囲気はまぁまぁ静かだった。電話が多くて、落ち着けないのが難点ではあったが、下らない親父ギャグもないし、セクハラやパワハラも今のところない。
二人のおじさんたちの業務は多忙で、そんな暇がなかった。
4月も下旬、グループ長が、私の歓迎会をすると言ってきた。別にいいのにな。
金曜の定時後、会社からタクシーに三人乗り合わせて有楽町へ。
楽しくなさそうな感じだったが、話してみればこのおじさん達、なかなか楽しい人達だった。
毎日午後にはどちらかが出張になる。居室内で二人きりになっても、仕事の指示以外で話しかけられることはほぼ無かった。
グループ長もオジさんも、取引先であったオモシロ話や苦労話を沢山してくれ、他部署の人間模様を話してくれた。
二次会に付き合うなら、オジさんの秘密を教えるとグループ長がひとり笑いこける。オジさんは頭を掻きながら唸っていた。
明日は休みだし、私はもちろん行きますと答え、なにやらあやしい界隈のスナックに連れて行かれた。
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