向日葵

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(15) 深夜11時にやっとお開きとなって、私たちは解散した。 アパートの前に辿り着くと、ドッと疲れが湧き、もうお化粧を落としただけで寝てしまおうと思っていた。 ところが、アパートの前で、『あれ?』と思う人とバッタリ会った。 オジさんだ。あちらも驚いていた。 聞けば、向かいの(超豪華な)マンションに住んでいるとのこと。 私のアパートとオジさんのマンションは、ちょうど区の境界で、今まで少しも気がつかなかった。 それにしても、さっきスナックの近くで反対方向に別れたよね。 「尾治さん、どうやって帰ってるんですか?私は〇〇線だったんですが」 『あぁ』と、オジさんはそう言えばと言った風に答えた。 「瑞希さんは、〇〇線を利用してるのか。だからこんな近くに住んでいながら会うことがなかったんだな。僕は会社から少し歩いて、△△駅からバスで通ってるんだ。今夜は終バスに間に合わなかったからタクシーを使ったんだよ」 わかっていたなら、店から一緒にタクシーで帰ったのにねと付け足すオジさん。 オジさんがご近所さんだからと言って、何も問題はないと思えたから、さして気にもせずにいた。 本当に、運命なんて、人の縁なんてわからない。そんなことになるなんて・・・。
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