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*エピローグ*
〈遠景に〉
瑞希を見つめる男は弁当屋の常連客。その手にはバラの花束。
一心に瑞希を見つめ、紅潮させた頬のままゆっくりと近づく。
弁当屋の接客口で『こんにちは』と声を掛ける。
瑞希が『いらっしゃいませ』と客の顔を見る。
優しく自分を見つめ続ける男性客と視線を合わせたまま、瑞希は心に温かいものを感じていた。自然と笑顔が溢れる。
瑞希は、何かが始まる予感がしていた。
完
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