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共に41歳。よく同級生かと聞かれるが、年齢はたまたま同じというだけで、出身も勤め先も違う。
出会いは旅行先だった。
互いに連れの友人同士が意気投合して、旅先の旅程を変更し同行することになった。
私の友人京美は、旅のアバンチュールだと言った。
でも、旅の終わりに連絡先を交換して、京美は夫の友人とその後3ヶ月付き合った。
二人の別れ際はドロドロ過ぎて思い出すのも嫌なくらい。そのことがあって、京美とは疎遠になってしまった。
夫とは、その京美たちの修羅場に巻き込まれたことがきっかけで、なんとなく始まってしまった。
最初は特別好きではなかった。タイプでもないし。
縁なんてそんなものよとの母のひと押しがあり、年齢も年齢だしと安易に決めてしまった。
タイミング。ただその一言に尽きる。
それでも、私は夫の良い所だけを見つめ続け、二人の間にある距離を縮める努力をした。
これといって取り柄のない私でも、最強の武器となったのは笑顔。
この笑顔だけで世の中を渡れると思ったし、実際そこそこ上手くやってきた。
だから夫には笑顔を絶やさず、家庭円満に頑張ってきたつもりだった。
・・夫の方はどうだったのだろうか。
『俺たち付き合う?』から始まって、何度か体を重ねた後『なぁもう結婚するか?』で結婚を決めた。
夫は私を愛していたのだろうか。今は・・・愛していないのか。
もしかしたら、私たち、案外似た者夫婦なのかも。
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