22章:対岸

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「……なんでもない。 さあ、行くぞ。ネリア対岸に陣をはる。皆、それぞれの役割を実行せよ!」  ヒュウガが命を出した。  隊は五名づつの分隊で拡散していった。  ーーホロホローー  ヒュウガの頭上にリラが舞っている。 「リラ」  ヒュウガはアリッサムに習ったように、腕を水平にした。  ヒュウガの肩にリラは止まる。  管から文を取り出した。 『回廊よりブリアの援軍確認。祝砲まで待て。アリッサム』  ヒュウガはニヤリと笑った。 「何と?」  隊長は訊く。 「ブリアが援軍を出したと。……ルピナスに連なった小国、ブリア、グラジオラス。 イチリン殿はどうやらお試しだ。いや、競わせておられる。 一番の手柄はどこが取るのやら、とな」 .
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