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「……なんでもない。
さあ、行くぞ。ネリア対岸に陣をはる。皆、それぞれの役割を実行せよ!」
ヒュウガが命を出した。
隊は五名づつの分隊で拡散していった。
ーーホロホローー
ヒュウガの頭上にリラが舞っている。
「リラ」
ヒュウガはアリッサムに習ったように、腕を水平にした。
ヒュウガの肩にリラは止まる。
管から文を取り出した。
『回廊よりブリアの援軍確認。祝砲まで待て。アリッサム』
ヒュウガはニヤリと笑った。
「何と?」
隊長は訊く。
「ブリアが援軍を出したと。……ルピナスに連なった小国、ブリア、グラジオラス。
イチリン殿はどうやらお試しだ。いや、競わせておられる。
一番の手柄はどこが取るのやら、とな」
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