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腕に飛び込んできた梓の肩を掴んで、留める。
揺らぎの大きさに、彼女の勢いを改めて感じる。
思ったより力を入れていたらしい。
「ごめん」
痛かったかと、つい漏れた言葉に、梓の瞳が見開かれた。
肩が強ばっている。
ああ、違うんだ。
僕はまた間違えた。
そんな顔をさせたいんじゃない。
「待って。梓、聞いてくれますか。」
俯いてしまった彼女の手を取る。
「僕は……言葉足らずだと言われます。
自覚もあります。
言葉を探しているうちに傷つけてしまう。
大切だと思っていた友人が、離れていってしまったこともあります。
でも、梓を失いたくありません。
聞いてくれますか」
ゆるゆると顔を上げてくれたことに、ひとまずホッとする。
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