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梓の言葉に、表情に、僕の鼓動は反応している。
「ありがとう、梓」
そう口から漏れていた。
まっすぐに僕を見据えて『好き』と言われて、つい言ってしまった。
そうしたら真っ赤な顔で飛び込んで来るので。
続けようとした
『でも……』
を飲み込んでしまった。
受け止めて、抱き締めてしまえばどうなるかわかっていたからこそ。
待って欲しかった。
「今のままでは、ダメなんです。
梓じゃなくて僕が。
待ってて。
変わりたいんです。」
じっと僕の目を見て、頷いてくれた梓は。
泣くのをこらえるように
笑った。
ズキンと心の深い所が痛んで、こんな我が儘を言ってしまったことが今さら怖くなった。
冷たい風に髪を遊ばせて並んで歩く。
いつもより饒舌な梓はカフェでケーキを迷い、友達のペットの話をしてくれた。
そして、時折スカートを握っていた。
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