第二章

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「あら、来たみたい。」 母さんはドアを開けて、市当局の修理工業者を招き入れた。 この国では、ほとんど全ての企業を政府が経営しているから、業者の所有格に何でも〝市当局の”が付くのだ。 「いつから異変に気づきましたか?」 「さっきです。出かける前はいつもと同じでしたよ。」 母さんが取調べを受けている間、またロボを見ていると点滅が終わって、何も表示されなくなった。 ―力尽きたのか― ロボットに飽きて窓の外のほうを見た。 外はもう暗くなりかけていた。
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