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なんでその男がここにいるんだ。 打ち合わせに来ていたのだから、今回のヤマにも関わっているはずだ。 じゃあ、この男の役目はなんだ。 なんでこのホテルの場所を知っているんだ。 なんで同じレンタカーに乗っているんだ。 混乱する頭の中で、赤坂はひとつの結論にたどり着いた。 この男は、俺の後をつけてきたのか? 俺のレンタカーにドラッグではなく運転手の死体が入っていたのは、この梅里という男が仕組んだことなのか? 自分の肩を支えながら、男が叫んでいた。 「おい、しっかりしろ! おまえらの仲間割れを誘うつもりなんてなかった。おまえらの裏切りの証拠を、教授に知らせるためだったんだ。おまえは自身の免許証でレンタカーを借りた。だから、おまえの車に棚橋の遺体を乗せておけば、揺るがし難い証拠になると思ったんだ。おまえらがどこへ雲隠れしようと知ったこっちゃない。だが、おまえらが裏切り者であることの証拠が必要だった。そしてドラッグも奪い返しておく必要があった。だからドラッグと遺体を入れ替えておいたんだ。おまえらが殺しあうなんて・・・もう、これ以上の犠牲は必要ないんだ」 梅里という男は、なにかを弁解しようとしているのか? そんなことはもう、どうでもいい。 この男は俺の後をつけてきていた。 俺が緑色のセダンの運転手を殺す現場を見ていたのか。 そして俺と同じレンタカーを借りたのだろう。
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