恋の根雪

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恋の根雪

凍えた言葉を飲み込み 白い世界で 肌の温もりを乞い 慕う 傍に居るのに遠い貴方の 唇から零れるのは 残酷なまでの甘い嘘の吐息 この身に落ちる雪の花は 私の体に溶けて染み込み 淋しい心に 深く 深く 淡い粉雪のように チラチラと儚く輝く 触れないで その熱のままで この心に降り積もった恋しさが 貴方に流れてしまうから 本気の心をくれない貴方に 悟られぬよう 永い 永い 時を掛け 恋の根雪を 溶かし 溶かして 涙に変えて 大地に帰す
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