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ストーカーならストーカーする対象の名前を知っているのは当然なのだろうか。何それ、すげぇ怖い。
「すげぇ、五月さんに話しかけてもらえた。俺、もう死んでもいい……」
俺は神様が何かか。
つっこんでやりたいが、そんな親しみな相手ではない。いやかなり長く付き合ってきた友人のような親しみはあるが、実際はストーカーとストーカー対象だから。しかも、まだ会って1か月にも満たない。
「あの……」
「はい!」
自分の世界に入って悶絶しまくる男に、気が引けながらもどうにか声をかけた。そしたらもの凄く大きな声で返事された。すげぇ、耳が痛い。思わず眉を寄せてしまった。
「あ、あっ、すみません! 五月さんに話しかけてもらえて興奮して……喜びすぎました」
へへ、と照れくさそうに笑う男に引いた。
こいつ、俺に興奮したと言ったぞ。興奮って……興奮って……!? もしや俺の貞操を狙ってるんじゃなかろうな。ごめんなさい、無理です、勘弁してください、つか勘弁しろよマジで。
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