第一章

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「そっか・・・」 海斗と麗のきょとんとした顔を見れば、二人には聞こえていないのは確かだ。 だとしたら俺の気のせいか、それとも・・・。 みつけた・・・ やっと・・・おぬしを・・・!! 「まただ、確かに聞こえた」 周りを見渡す。 霊の仕業にしては感じが違う。 なんなんだ、一体どこから・・・? 「何か聞こえるのか、紅」 「私たちには何も聞こえないのに・・・」 開かずの扉へ・・・ わらわはそこに 開かずの扉? そこに行けばこの声の正体が分かるのか? 「悪ぃ。俺ちょっと帰るわ。今日は学校休む」 「急にどうしたんだよ!」 「さっきから変だよ?また何か感じたの?」 明らかに態度の変わった俺を見て、海斗と麗は心配そうに見る。 「悪意は感じないし、たいしたことないとは思う。 でもどうしても気になるんだ」 だから行ってくる、そう言って校門へと戻る。 背後から二人の「気を付けて」の声を聞きながら、俺は全力疾走で家へ向かった。
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