4人が本棚に入れています
本棚に追加
「そっか・・・」
海斗と麗のきょとんとした顔を見れば、二人には聞こえていないのは確かだ。
だとしたら俺の気のせいか、それとも・・・。
みつけた・・・
やっと・・・おぬしを・・・!!
「まただ、確かに聞こえた」
周りを見渡す。
霊の仕業にしては感じが違う。
なんなんだ、一体どこから・・・?
「何か聞こえるのか、紅」
「私たちには何も聞こえないのに・・・」
開かずの扉へ・・・
わらわはそこに
開かずの扉?
そこに行けばこの声の正体が分かるのか?
「悪ぃ。俺ちょっと帰るわ。今日は学校休む」
「急にどうしたんだよ!」
「さっきから変だよ?また何か感じたの?」
明らかに態度の変わった俺を見て、海斗と麗は心配そうに見る。
「悪意は感じないし、たいしたことないとは思う。
でもどうしても気になるんだ」
だから行ってくる、そう言って校門へと戻る。
背後から二人の「気を付けて」の声を聞きながら、俺は全力疾走で家へ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!