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「開かずの扉・・・!!!」
ぜぇぜぇと息を切らしながらまっすぐご神木の近くにある開かずの扉へ急いだ。
息を整える時間すら惜しい。
早く行かなければ・・・・よく分からない何かに突き動かされて俺は走る。
「な、んで・・・!!
開かずの扉が、開いてる・・・!?」
俺は驚いた。
誰がどんな手を使おうとも開けることができなかった開かずの扉が開いている。
「・・・!!」
よく見てみると、扉の前に誰か立っていた。
小さな人影は子どものように見える。
いや、「人」ではない。
その子どもは銀色の長い髪を靡かせ、金色の瞳で俺を見つめていた。
そして頭には「人」にあるはずがない獣の耳と、大きな尻尾。
「狐・・・」
そう、まるでその姿は人の形をした狐。
少年にも少女にも見えるその子どもは怪しげに笑うと、くるりと向きを変えて扉の中へ入った。
「待ってくれ!!君が俺を呼んだのか?!
君はいったい誰なんだ!!!」
ついてこい・・・・
そなたの力が必要なのだ・・・
決めるのは、お前だ・・・・
なぜだか胸が苦しい。
泣きたくなるような気持ちと、あの子を追いかけなければという気持ち。
そうだ、俺は追いかけなくちゃいけない。
「じいちゃん、ごめんっ!!!」
そして俺は開かずの扉へ飛び込んだ。
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