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『えーん、えーん...っ!』
夢を見た。
小さな女の子が泣きながらうずくまっている。
「どうしたんだ?なんで泣いてるの?」
俺は女の子の傍に行き、落ち着かせるよう背中を撫でながら原因を聞いた。
『名前...名前が分からないの...。
私は自分の名前が分からないの...』
名前が分からない、そう言って女の子は泣きじゃくった。
「じゃあ俺が、君の名前を探してあげるさ。
そして君の名前を呼んであげる」
見ず知らずの女の子の名前を探すなんてほぼ不可能なことなのに、何故か俺はそう言ったんだ。
気休めとかではなく、いつかその子の名前を呼ぶ自信があった。
「約束するよ。
いつか必ず君の名前を呼ぼう」
俺がそう言うと、女の子は泣き止み『うん』と微笑んだ。
そこで夢は終わり、目が覚めたらいつもと同じ朝がきていた。
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