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カラカラ――と鐘が鳴る。
カラカラ――と鐘が鳴る。
カラカラ――と鐘が鳴る。
カラカラ――と鐘が鳴る。
カラカラ――と鐘が鳴る。
カラカラ――と鐘が鳴る。
「あなたも嫌い……」
――カラッ……
『そう……そうか……じゃあ仕方ない』
「え?」
呟いて、無理に叫んだ喉が痛んだ。
『僕は萌ちゃんが悲しむことはしない。だから、蒼司くんも元に戻すよ』
「…………」
明るい声だった。
無邪気で、私のことを想っていてくれる声。
『じゃあ、最後に願い事を1つ』
「……あの」
あまりにも、あっさりとした少年に、ついつい気がそがれてしまった。
『早く早く! 時間がないよ!』
「え、あ、ああ――!」
「お金!」
言って、なんて俗物的な発言だったのかと後悔した。
『お金……金ってこの鐘じゃないよね』
カラカラと、
「……違う。ちゃんとしたお金……マネーの方」
それでも、やっぱりお金が欲しかった。
『あははっは……じゃあ、そこの笹を調べて。探し物が見つかるから! もう彼女たちにはいらない物だからね!』
「? それどういう意味なの三田ーー!?」
ザザザ――と突風が吹いた。
巻き起こった砂埃に目を閉じている隙に、少年の気配が消えた。
「……っ」
髪を整えて、スカートをはたく。
「……三田?」
鏡内はシン、と静まり返っていて、返事はない。
しばらく立ちつくしていたが、ジワジワと蝉の声しか耳に届かない。
「笹って」
見渡すと、鏡内の端に七夕の時の笹がそのまま立てかけてあった。
願い事が書かれた紙。
なんだか場違いに、どこかの野球の球団を贔屓するような願い事とか――。
「え?」
その中に一万円札がぶら下がっていた。
赤いペンで、ざっとした不思議な願い事が書かれた一万円札。
――忘れ物、見つかりますように。
「……三田?」
風が吹いた。
笹がざわざわと鳴る。
そこに小さな声が混じった気がした。
『人間って、よく分からないや……それと、パンツまた見えちゃった』
結局のところ、この物語がどんな意味を持っていたのかは誰にも分からなかった……。
三田という少年がいた形跡すらなかった。
ただ、神社の縁の下には、誰かが寝ていた跡があって、駅前の道端には割れたラムネの瓶が2つあって、
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