崩れ然る固定観念

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  「とぼけるな、 兄さんと寝るために 女が順番待ちしてるって、 今、聞いて……」 「誰がんなこと言ってんだ」 「あんたと寝たいって 女からだよ! 待ちきれないから 先に弟でもいいやって、 さっき……」 「は……」 思わず乾いた笑いが漏れた。 ……どんだけ見境ないんだ。 バカにするにもほどがある。 「なんて名前だ、その女」 「……リリナって言ってた。 中2の子だよ」 「ほう。 じゃあそいつ、改めて 最後尾行きだな。 待てをしてるのに、行儀が悪い」 「そういう問題じゃないだろ!」 だん、と誠司は机を叩いた。 .
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