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思わず本音がこぼれたのは──
覚悟して始めたことだというのに、
まだ誰かの理解なんか
欲しいってことなんだろうか。
だとしたら俺は、
まだまだガキで甘い。
「兄さん、もしかして」
「……」
「いつも夜中や
明け方に帰ってきて、
トイレに駆け込んで吐いてるよね」
「お前、あんな時間に起きてんの」
「静かな家で玄関が開けば、
いやでも気付くよ。
飲み過ぎかなって思ってたけど、
兄さんはちょっとくらいじゃ
酔わないよね」
「……俺にも
体調が悪い時くらいある」
「ねえ、もしかして嫌なの。
色んな女の子と遊ぶの。
それで吐いてるの、もしかして」
「さあな」
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