崩れ然る固定観念

29/40
前へ
/40ページ
次へ
  「今の状態で志緒を 俺の女にしたところで、 自分の身を守らなきゃ ならないことを 教えなきゃならねえ。 その理由も」 「それはそうだな」 「まだ14のあいつに、 そんな負担をかけたくねえんだよ」 「そこまで話せば、 お前がせっせと女の子達を いやらしい方法で片付けてることも、 きっとばれるしな」 「──……」 なんでこの人、 そんなこと知ってるんだろう。 俺、言った覚えないのに。 藤堂さんはちびちびと ヘネシーを舐めながら、 窓の外を眺める。 闇夜に包まれて 景色など見えないが、 その視線の先には 俺や志緒の家があるはずだ。 「……けど、志緒ちゃんは お前しか見てないぞ」 .
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1224人が本棚に入れています
本棚に追加