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「そんなの、判んねえよ。
……ただの刷り込みかも
知れねえし。
幼なじみとして」
俺が志緒に対して
強い態度に出られない理由は、
それだった。
小さい頃から、
志緒が何を思って
俺についてくるのか、
さっぱり判らないからだ。
他の女達のように、
自分の欲を叶える
格好の道具として
見てるわけではない。
それは判るが、
だからって惚れられているとも
思えなかった。
……女ってのは
嫉妬に駆られたら
何をするか判らねえ。
どうにもそれは
辛抱できるものではないらしいと、
俺は周囲の女からも学んでいた。
もうとっくに
話をつけているはずなのに、
女達はたまに小競り合う。
その面倒に駆り出されて
何やかやと複数で
遊ぶことになることもある。
そういう日は、死ぬほど疲れる。
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