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──あの時巻き込んだ
女のために、
俺はその名誉を
守ってやることしかできない。
周囲は認めちゃいないが、
あの志緒に似た小さい子は
俺の最初の女ってことに
なっている。
……軽口だったとはいえ、
実際そうだし。
「同じ目に遭うぞ。てめえも」
「今日は、大丈夫。
大義名分があるから」
「大義名分?」
女はそのまま胸を押し付けてくる。
そう大きくはないが、
やわらかい感触が
腹の辺りで潰れるのが判った。
「……みんな、あの女の子に
苛々してるのよ。
子どものくせにタクミの特別で、
生意気だって」
「……」
「本当にそうなのか、
タクミに直接確かめるのが
今夜のあたしの役目なんだ」
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