崩れ然る固定観念

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  何かをしてもしなくても、 暗闇から悪意は飛んでくる。 そういう現実を前に 俺が跪いたのは、 まだ15歳の時だった。 自分で自分を可哀想がって 自慰に励む趣味なんか ありゃしないが、 突き放した気持ちで そう感じるのはどうしようもない。 これが他人なら、 「お前もしんどそうだな」なんて 声をかけて、 隣に腰を下ろしてやるところだが。 闇の中で目隠しをされて、 両手と両足を大きな鎖に 繋がれているような 気がしてしまうんだ。 闇の中で 目隠しをされているのに、 そうされている自分の姿が 視えるんだ。 ──なあ。 自分ってものは、 どうやって助けてやればいいんだ。 .
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