崩れ然る固定観念

8/40
前へ
/40ページ
次へ
  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 「……ひっ、あ……」 悲鳴と嬌声の狭間で、 女が乱れ喘ぐ。 冷たい壁に丸みを帯びた 身体を押し付けて、 後ろから腕を掴んで 好きなように揺らした。 加減してないし、 気遣ってやってもない。 この女、こんなふうにされて なんでじっと辛抱してるんだろう。 いきなりこんなふうにされても 痛いだけだろうし、 気持ちよくしてやろうなんて、 これっぽっちも思ってないのに。 “早くあの女の子、 遠ざけた方がいい” いかにも親切そうな女の進言に、 自分の心の中で激しく 何かが軋む音がしたことは 覚えている。 頭の中で、耐えがたい混沌が 決して混ざり合うこともなく どろどろと渦巻いていた。 .
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1224人が本棚に入れています
本棚に追加