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{こ、こうなったら……}
少年はここで一つの賭けに出る。
{…違う…違う、此処じゃない―――来たっ!!!}
「くぉおこだぁぁぁぁ!!!」
バギィン!!!
透明な破片が方々に飛び散った。
そう、彼が取った方法とは――――
「うっひゃー、危ねっ!!」
金槌で窓ガラスを破り、その桟にハンマーを引っ掛けるという荒業。
「おーーい!!大丈夫かーーー!!?」
「おーーう!!なんとかなーー!!!」
落ちていく数秒の間にその発想に辿り着き、実行に移すとは正に超変態と呼べるだろう。
{……さーて此処からどうやって登るか、だよなー}
―――しかし誤算が一つ。
彼が持っていたハンマーにあった。
そのハンマーはポーチから取り出された。
つまりそこまで大きくないのだ。
加えて長年使っていた所為で頭と柄の接続はゆるゆるな訳で……
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加速が再開始した。
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