王道が来るまでの日常

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その後はとにかく走った。掘られたくないし、俺はノーマルだし。 途中で何人かに絡まれて捩じ伏せたりした。途中で同じクラスのやつ一人がなんかずっと後を着けてきてたけど、敵意がないので放っておいた。 それでもって寮に着いたんだけと……。寮長室からあの変態がいる気配は無いよな、あの人に組み敷かれたら俺は終わる。 てか何で俺なんだよ、俺は綺麗系というよりはワイルド系だってのに。 「よし、今のうちにっ……ひゃあっ!」 「お帰り怜桜……、今日は俺の部屋に来いよ。この間の続きをしてやるから」 ……、たった今俺の首筋を舐めたのはこの学生寮の寮長をしている色気ムンムンの変態の榊 慧(さかき けい)だ。 俺はこいつのセクハラに常日頃から悩まされていて、ついこの間はあと少しで食われるところだった。……しかも野外で。 「……、おいてめえぶっ飛ばすぞ!」 「おー、俺は怜桜の愛をどんな形でも受け入れるつもりだ。それじゃあ今すぐにでも俺の部屋に行こう、そして体の隅々まで洗わせてもらうぞ。今日は寝かせてやれねぇけどな」 つーか流れるような手つきで腰を撫でるなよ変態。それに俺は行かねーよ。 「行くかアホ、もう部屋に帰らせて貰うからな!」 そう言葉を吐き捨て、俺はエレベーターに駆け込んだ。ちょうど一階に止まっていて良かった。
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