3 それは繋がる手に導かれる

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「いやじゃ……ねぇか?」 「……へ?」 多分、俺の質問がまるっきり考えてもいなかったんだろう。 ぽかんと口を開けた奏は我に帰ると首をかしげた。 「いやって、どうして?だって、今私の方が手、つなぎたいっていったんだよ?」 「あー、それはそうだな」 確かにそうなんだが。 不思議そうに覗き込む奏を少し見て。 自分でも何をこんなに躊躇ってるのかと苦笑を洩らした。 「いや、新庄や双子にナミなんかの前で手をつながれるのが、いやじゃねぇかと思ってな」 前にアイツ等の前で手をつないでいた時、思いっきり頬染めて照れくさそうにしていただろ? そう言えば奏はみるみる目を見開き視線を揺らす。 「て、照れはするけど……うれしいなって思って、」 照れながらそう言い、伏せられる顔をあげてほしくて。 俺は奏の頭にぽんと手を置く。 そうすれば必ずその顔は持ち上がって、俺を見上げる瞳に口の端が持ち上がる。 「秀?」 「あぁ」 「秀の頭ポンポンも好きだけど、」 「っ、あぁ」 「手、つなぎたいな」 頬染めて、照れながらもハッキリ言われた言葉は願ったりかなったりだろ。 俺は立ち上ってこの手を差し出す。 「お手をどうぞ?お嬢さん」 「ふふっ」 くすくす笑い差し出された小せぇ手を握りこんだ。
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