4 それはどれも君との初めて

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彼のコーヒーと、私のカフェオレのカップを手にソファに向かい、彼にカップを手渡した。 「あぁ、さんきゅ」 「うん」 隣に座って一口カフェオレをすすって。 想うのは、彼の存在と温かさ。 隣から伝わるそれらにほっと息を吐いて。 同時にドキドキと煩いコレは、二人っきりでいると言う事。 あの頃よくこうしていられたなって思うくらい、心臓がうるさくて。 なんだかこのドキドキで揺れる体に、持ったカップの中身がこぼれそうな気がして。 そっと、ローテーブルに置いた。 「あー……アレだな」 同じようにテーブルにカップを置いた秀は、ソファの背もたれに腕をのせて。 それから一度口をつぐむとその手でゆるゆると私の髪を解いた。 「……なぁ、に?」 最高潮に煩い心音を気付かれないように、平静よそって隣を見上げれば。 っ、 彼は思った以上に優しく目を細めて、 でも少し困ったように、 瞳はほのかに熱っぽく私をじっと見る。 「隣にいるだけで、満足だと思ってた」 「……うん?」 「奏が隣にいて手をつないで歩く、それだけで胸がいっぱいで自分でもどうしようもねぇって思ってた」
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