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「そんなこと…分からないよ。」
「年下なんでしょ?まだ結婚とか考えてないんじゃないの?
美樹はもう30歳なのよ?」
「なに、その言い方…まだ付き合ったばかりだし、結婚なんて分からないでしょ」
「結婚しないつもりなの?」
「しないとは、決めてないし。するとも決まってないよ…」
母が、深い溜め息をついた
「とりあえず、そんな遠回りなことしてないで、お見合いはいきなさいよ。今更断れないし」
「何?それ、どういうこと?…酷いじゃん」
「まぁまぁ、お母さんも、美樹も落ち着いて」
父が、横からたしなめるも
「お父さんだって、早く孫みたいでしょ?
従姉妹の杏子ちゃんにまで先越されて、悔しいわよっ。早く孫見たいわよ」
「……」
悔しいけど、そこまで言われちゃうと返す言葉がない
結婚に、遠回りだと言われたら、それはそうなんだと自分のどこかにある気持ちが顔を見せる
「ごめん、美樹…久々顔見たのに、言い過ぎだね。」
「ううん…とりあえず、見合いは断ってよ…」
「もうそんな訳には行かないから、行って。そのあと、断りなさい」
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