幸せへの一歩 第6話

お見合い #2

「なんで？反対なんですか？」

「……」

「話したくなければいいですよ」

「いえ。
付き合っていた彼女、ちょっといろいろな事情で子供ができにくいかもしれないと言われて。俺はそれでもよかったんですが。
親が…孫がどうしても欲しいと」

「できない訳ではないんですよね？」

「できない訳ではないみたいですが…可能性が高い方がいいというか。失礼ですね。女性は子供産むためにいる訳じゃないのに」

「孫が欲しい親御さんの気持ち分かります。
多分家の親もそこで焦っているんだと思います。
もう30歳でしょ？って
言葉にはしないけど多分その部分かな…」

「…諦めないで頑張ってみようかな」

「はい、そうしてください」

「はは、何か変ですね。
なんでこんな相談してるんだろ？」

「本当だ、変ですね。

朝子おばちゃん…えっと紹介してくれたおばちゃんが『今回当たりよ、よくあんなの残っていたわね』って言っていたんです

私もそう思いました。
田中さんなら、結婚の条件にぴったりって」

「美樹さんて、面白いですね。そんなに正直に言われたの始めてです
条件ね～」

田中さんは、楽しそうに笑った