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「あの…もし回答を違えてしまったら私たちや集落、他の皆さんはどうなってしまうんでしょう?」
「気楽に行きましょ、当てさえすれば平穏無事に済む保証が有る訳でもないわ」
そして先ほど考えた事を伝える。
未だ部屋の雰囲気に圧倒されている様子の華焔は、しかし小さく頷いてくれた。
「では…×の襖を開けましょう」
その声に後押しされる様に畳の間を抜け×と描かれた襖に手を掛ける。
「私が此方と言ってしまった以上は責任持って先陣を切らせて頂くわ、危険かもしれないから一旦下がって頂戴」
言葉と共に襖を一息に引き。
刹那「向こう側」の禍々しいまでの妖気に思わず後退る。
妖の血筋とは無関係である筈の自分ですら背筋を冷たいものが流れる、どろりとした気配。
「あ……○の襖が…!」
華焔の声に振り返れば、開けなかった方の襖が空間に溶けるかの如く消滅するのを視界に捉えた。
「厭だわ、早く帰ってお団子食べたい」
冗談混じりに呟き、身体を「向こう側」へと滑り込ませた。
終
旗俥氷鳰(覇)さん宅
華焔さんお借り致しました。
諸々の反省点はイラストキャプにて…!←
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