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「私」が生きるのは「今」 「私」が存在するのは「此処」 此れら「事実」の、なんと覚束ない事か。 なんと果敢ない事か。 若輩の自分が居た狭い世界 其れが突然壊れた日、 自分は化けの皮を脱ぎ捨て 狐面で過去を塞いだ。 「自分」が「私」に成った時 「此処」での暮らしが始まった。 波間に揺蕩う木の葉の如く 「今」も「私」は生きている。 「私」が生きるのは「今」 「私」が存在するのは「此処」 偶然か必然かも解らぬ侭開かれた門扉、 其の先に在ったのは 過去の「自分」が知る由も無かった さやかな世界と、数多の風景。
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