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「人間、諦めも肝心って言うしね。君が頷いてくれないのなら、俺は諦めるしかないから」 そう言って伝票を持ってレジへと向かう。 彼女が唖然としている間にお会計を済ませ店を出れば、少し遅れて彼女が走って追いかけてきた。 「ちょっと!お金とあと……」 「あぁ、別にいいよ。えっと、タクシー呼ぶからちょっと待ってね」 携帯を取り出し、タクシー会社の番号を入力しようとすれば、彼女が首を振る。 「タクシー!?いや、いらないですよ!それより、あの、」 「夜も遅いし女の子の一人歩きは危険だよ。君さえよければ、全然送って行くけど……その方がいい?」 よく分からない男に自宅を知られるのは怖いだろうと、タクシーを提案したのだが。彼女がいいのなら、俺は構わない。 「いや、いらないですって……というか、ちょっとは私の話を聞け!!」 そう叫ぶと、彼女は勢いよく俺の手を掴んだ。そして、そのまま歩き出す。
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