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一ノ瀬さんから聞いた話をまとめると。
テキーラを呑み、馬鹿みたいに酔った私は自分の事を赤裸々に彼に話し始めたらしい。
アニメと漫画が好きな事も、休みの日は恋愛ゲームばかりしている事も。
23年間、一度も彼氏が居なくてそういう行為もした事ない事まで。
全て赤裸々に。
初対面の相手にどこまで話してるんだ私!
思わず耳を塞ぎたくなる内容だったが、何とか堪えた。
暫くお酒を呑むのはやめよう。
そう胸に誓った。
そして、私達が結婚した理由だが…それは利害の一致だと、一ノ瀬さんは言った。
「利害の一致…?」
「そう。君は覚えてないかもしれないけど、昨夜俺にこう言ったんだよ。”現実世界で恋愛をして傷付きたくないけど…ゲームのようなハッピーエンドを迎えてみたい”って」
覚えてる?と、一ノ瀬さんは聞いてきたが、全く覚えてない。
というか私は、そんな自分勝手な事を一ノ瀬さんに言ったのか。
しかもゲームのようなハッピーエンドって、どういう事だ。現実とゲームの区別が付いてないのが丸分かりだ。
酔っていたとはいえ、馬鹿な事を言ってたんだな…と自分に自分で呆れた。
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